今回は、山梨県が推奨する「豊かさ共創スリーアップ実践企業認証制度」についてお話ししたいと思います。この制度は、働く人のスキルアップを通じて企業の生産性や収益の向上を図り、賃金向上につながる「スリーアップ」の好循環を実現するため、その取り組みを実践している企業を認証する制度です。従業員の成長、生産性向上と働きやすさ、賃金アップに取り組む企業を「スリーアップ実践企業」として認証し、企業イメージの向上や人材確保を支援しています。制度自体は以前から存在していましたが、認証を受けることが山梨県の「省エネ・再エネ設備導入加速化事業費補助金」や「賃金アップ環境改善事業費補助金」、新設される低金利の制度融資に活用できるとあって、再び注目を集めるようになりました。リスキリングや賃上げに関する簡単な質問にチェックを入れるだけの簡単な申請なので、ご興味のある方はお気軽に申請してみてください。
しかし改めて考えてみると、スキルアップ→収益アップ→賃金アップの好循環を生み出すのは、そうたやすいことではありません。スキルがアップしても収益に結びつかない、収益がアップしている以上に賃上げしなければならない・・・など、既に取り組みを行っていても、思うように成果が上がっていない企業も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「スリーアップ」の好循環を生むための具体的な方法について考えていきたいと思います。
まずは「スキルアップ」についてです。まず前提として、中小企業に在席していて、かつリ・スキリングの対象となる優秀な従業員は、複数の職務を兼務するなど余裕がないケースが多いと考えられます。そこで重要なのは「少ない努力で成果が出る環境」を会社で用意することです。少額減価償却資産の特例やIT導入補助金を活用し、ハイスペックPCや生成AIツールを提供することで該当する従業員の負担を減らします。その上で、人材開発助成金や教育訓練給付金、教育訓練費の税額控除を活用して、ひとりひとりの能力を向上させていきましょう。
次は「収益アップ」についてです。まず現場で一番時間がかかっている工程を見直します。省エネ・再エネ設備導入加速化事業費補助金や中小企業成長加速化補助金、中小企業新事業進出促進補助金、特定生産性向上設備等投資促進税制を活用し、設備投資で自動化できる工程がないか検討してみましょう。また評価方法を見直すのも一案です。「短い時間で高い利益を出した人」を評価するしくみに変えることで収益が高まります。
最後に「賃金アップ」についてです。みなさんも既にご存じだと思いますが、令和8年度の税制改正による減税で従業員の手取りは増えることになっています。基礎控除の上乗せ(最大42万円)があるため、この改正のタイミングで正社員を少し昇給させると、本人の手取りは想像以上に増えたように感じられます。パート・アルバイトに関しては、社会保険に入ってもらったうえで103万円の頃より手取りが増える170万円程度になるシフトを組むことで、熟練スタッフの稼働時間が増え、収益アップに貢献してもらいながら賃金アップできます。
とはいえ「スリーアップ」は極めて理想的で難易度が高く、実現には様々な試行錯誤を伴います。お困りの際は、いつでもご相談ください。
豊かさ共創スリーアップ実践企業認証制度 https://3up-ninsho.pref.yamanashi.jp
