今回は、5月から徴収が始まる「子ども・子育て支援金」についてお話ししたいと思います。え?「子ども・子育て拠出金」が新しくなったの?と思ったみなさん、ごめんなさい。全く新しい「子ども・子育て支援金」という制度が始まるんですね…。今後、企業は「子ども・子育て拠出金(事業主全額負担)」に加えて「子ども・子育て支援金(労使折半分)」を支払うことになります。
「子ども・子育て支援金」とは、政府が進める「こども未来戦略(加速化プラン)」に基づき、少子化対策や子育て支援を抜本的に強化するための新たな制度です。現役世代や企業だけでなく、高齢者や独身者も含めた社会全体で子育て世帯を支えることを目的として創設されました。徴収開始は令和8年5月から、医療保険の保険料とあわせて徴収されます。対象となるのは公的医療保険に加入する全ての従業員と事業主です。正規・非正規といった雇用形態にかかわらず、労使折半で負担することとなります。令和8年度の負担率は標準報酬月額の0.23%。集められた支援金は、子育て世帯への直接的な還元に充てられます。具体的には、児童手当の所得制限撤廃や高校生までの期間延長、第3子以降の増額といった給付の拡充に加え、妊娠・出産時の計10万円相当の支援、さらには親の就労要件を問わず時間単位で保育所等を利用できる「こども誰でも通園制度」の創設などが予定されています。また育児休業給付の充実や、子が2歳未満で時短勤務を行う場合の賃金補填など、働く親を支える施策の財源としても活用されます。
留意点としては、まず、支援金の負担率が段階的に引上げられるということです。令和8年度の負担率は0.23%ですが、徐々に負担率が引き上げられ、令和10年には0.4%程度になる予定です。支援金は標準報酬月額に連動しているため、ベースアップ等で賃上げを行った場合は負担額も増えるということになります。賃上げや採用を行う際には、この点を考慮した上で決断しましょう。次に、徴収が始まる5月までに従業員へ周知をお願いします。手取りが減ることになりますので、労使折半で会社も従業員と同額を負担していることを伝えて理解を得ましょう。最後に、産休中や育休中の従業員については他の社会保険料と同様に免除の対象となります。この点は、安心ですね。
2025年6月の年金制度改正法成立により、社会保険の適用拡大が決定しました。2035年までに、企業規模を問わず「週の所定労働時間20時間以上」「月額8.8万円以上」の条件を満たす常時雇用の労働者は、段階的に社会保険への加入が義務化されます。社会保険料負担による経営悪化を避けるため、価格転嫁や外注の活用、DX化など、色々な手段を試してみましょう。仕事を細分化することも1つの方法です。今後は、人件費が上がる分、これまで「お手伝い」のような感覚で働きに来てもらっていた従業員にも、更なる貢献を求めたい気持ちが高まると思います。業務を細分化することで貢献できる分野を増やし、ついでに特定の人物に業務が集中する「属人化」を解消してしまいましょう。「子ども・子育て支援金」をはじめ社会保険料に関するご相談がありましたら、いつでもご連絡ください。
