「フォロワーシップ」について

初夏の風が爽やかな季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。2月末に始まったイラン攻撃の影響が、いよいよ表面化してきましたね。私の周りでも物資の高騰や入手困難に関わる話を耳にする機会が増えました。先行きが見えない状況に不安を感じていらっしゃるお客様も多いと思いますが、何かお力になれることがあれば、いつでもご連絡ください。

さて今回は「フォロワーシップ」についてお話ししたいと思います。長らく日本では「組織は管理職のリーダーシップで強くなる」という考え方が根強く、研修などの施策も管理職に偏りがちでした。しかし近年は管理職が減少し上司1人あたりの部下の数が増加していることから、管理職の負担やマネジメントの難易度が上昇し、管理職の研修だけでは対処できなくなっています。こうした状況の中、「フォロワー(一般メンバー層)」がどのように行動するかが組織のパフォーマンスを大きく左右すると認識されるようになり、フォロワーシップにも注目が集まってきています。そこで今回は、株式会社パーソル総合研究所の「フォロワーシップに関する定量調査」で明らかになった現代の組織に求められるフォロワーシップの実態と、組織づくりのヒントをご紹介します。

組織の成果に直結する有効なフォロワーシップ行動は、①寄り添い(チームの感情を支える行動)、②場づくり(チームを円滑に回す行動)、③踏み出し(役割にとらわれず動く行動)、④学び共有(経験を集合知に変える行動)、⑤本音発言(建設的に意見を言う行動)の5つに集約されます。ここで注意すべきは「上司の評価」と「組織への実際の貢献」の間に存在するギャップです。多くの上司は指示がなくても先回りして動く部下を高く評価する傾向がありますが、実際に組織のパフォーマンスに良い影響を与えているのは「学び共有」や「本音発言」の項目だそうです。上司にとって耳が痛い「本音発言」は軽視されやすいですが、これらを引き出すことこそが組織力向上には不可欠であると調査には示されています。

では現場からフォロワーシップを引き出すためには、どのような環境を整えればよいのでしょうか。調査によると、メンバー間の“感謝”や“笑い”といった「ヨコの感情交流」と、上司に対する意見の言いやすさなどの「タテの対話関係」の双方が高い組織は、圧倒的にパフォーマンスが高くなることがわかっています。ヨコの関係だけでは本音の意見が出ず、タテの関係だけでは感情的な寄り添いが広がらないため、両者のバランスが重要です。加えて「組織的な余白」があることでフォロワーシップ行動が高まることがわかっています。厳密に役割を規定するのではなく「方法や優先順位は現場で判断してよい」といった余白を残すマネジメントを意識しましょう。ちなみに、会社都合による頻繁な異動や労働範囲を定めない日本的雇用慣行は、部下の役割認識を曖昧にしフォロワーシップを縮小させるため、推奨されていません。

 フォロワーシップは余裕のある人や意識の高い人がやる特別なものではありません。管理職任せの発想から転換し、経営層自らがコミュニケーションと役割設計を見直すことで、現場にいる普通の部下たちの行動を意図的に引き出し組織を強化していきましょう。フォロワーシップについてお困りの際はご相談ください。

https://rc.persol-group.co.jp/wp-content/uploads/thinktank/data/followership.pdf

 

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