日暮れが早い季節となりましたが、皆さまお元気でいらっしゃいますでしょうか。私は先日、親戚一同で県内の旅館に宿泊してきました。大勢の外国人観光客と共に太鼓のパフォーマンスや餅つき大会を見学し、コロナ禍が完全に終わっていることを目の当たりにしました。休日は仕事ばかりしていますが、外に出ないとわからないこともありますね。既存の施設を生かしながら顧客満足度を上げる工夫が随所に見られる良い旅館で、大変勉強になりました。
ところで皆さんは、ISO30414という言葉をご存じでしょうか。ISO30414は国際標準化機構のマネジメントシステム規格の1つで、組織が自社の従業員に関する人的資本の情報について、定量化し、分析し、開示するための国際的な指標として設けられたガイドラインです。私はこの度「ISO30414プロフェッショナル認証」という資格を取得しました。この資格があると、ISO30414に関するコンサルティングや講義、組織認証のための審査を行う事が出来るようになります。
2010年頃から、企業の人的資本情報を開示して欲しいという要望が、海外の投資家から上がるようになりました。人的資本情報とは、採用や雇用にかかるコスト、経営陣の男女比、管理職1人が管理する部下の人数、従業員の定着率、従業員1人あたりの売上や利益、研修費や参加率、臨時従業員数や割合、欠勤率など、従業員に関する詳細な情報です。人的資本情報から会社の将来性を判断できると考える投資家が増え、人的資本情報の開示を求める声が高まったと言われています。その流れを受け2020年8月には米国で、さらに2023年1月より日本でも、上場企業に対し「人的資本の情報開示」を義務づけるようルールが変更されました。
ではどんな情報を開示するべきか?項目を考える上で参考になるのがISO30414です。人的資本の国際的なガイドラインであるISO30414の認証を受けて推奨される項目の情報を開示すれば、必要な情報を開示している優良企業として海外の投資家からも投資を得られる可能性が高まります。
人的資本情報の義務づけは上場企業にのみ義務づけられているのであって、中小企業の皆さんには関係のないことだと思われるかもしれません。ですが、従業員をコストではなく資本と捉え会社の力に変えていくという姿勢は、人材不足に悩む中小企業にも役立てられるものだと思います。ちなみに数は少ないですが中小企業がISO30414認証を受けるケースもあります。詳しく知りたい方はぜひご連絡ください。
本年もお力添えを賜り心から感謝しております。皆様の輝かしいご越年を心よりお祈り申し上げます。