9月とはいえまだ夏を思わせる暑い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。私は相変わらず忙しくしておりますが、特に今年の夏はあっという間に終わってしまった印象があります。南海トラフ地震の臨時情報である「巨大地震注意」が発表されたため、なんとなく緊張感があって落ち着かないままお盆休みが終わってしまいました。今回は幸いにして何も起こらなかったのですが、地震に限らず災害は激甚化・頻発化していると言われていますので、具体的な事案ごとの対応を知っておきましょう。
ケース➀会社の建物が地震により倒壊、従業員は無事で就労できる状態にあるが、休業せざるを得ない。
→→→地震による倒壊は不可抗力なので、賃金や休業手当の支払は不要。
ケース②会社の建物が地震により倒壊、従業員も被害を受け就労できない状態。休業せざるを得ない。
→→→従業員側の事情で就労できない状態なので、賃金・休業手当の支払は不要。
ケース③会社の建物が地震により倒壊、会社が休業を発令する前に従業員から有給休暇の申出があった。
→→→休業を発令する前に申出があれば有給扱いになる。
→→→休業の発令が先にされている場合は“労働日ではなくなる”ため有給休暇は取得できない。
ケース④台風の影響で作業が中止され、従業員から休業手当を求められた。
→→→台風などの天候状況は事前の想定が可能なため不可抗力とはみなされず、経営管理上の理由として休業手当が必要な場合が多い。事前の振替休日や代休によって対応を。
ケース⑤台風接近の予報により従業員を早めに帰宅させた。その日の賃金は全額支払うべきか?
→→→「帰ってよい」は就労免除を意味するため原則として賃金は全額支給。帰宅させなければ安全配慮義務違反となる可能性があるのでやむを得ない。就業規則に始業時間の繰り上げ、繰り下げ規定を設けておくと、始業時間を早めるなどの工夫が可能となる。
災害対応についてさらに詳しく知りたい場合は、いつでもご相談ください。