「人事部門におけるAI活用」について

日本では多くの企業が少子高齢化と深刻な労働力不足という大きな課題に直面しており、限られた人材を採用・定着させるため、人事部門におけるAIの活用が加速度的に普及し始めています。そのような状況を受け、4月に日本経済団体連合会が『HR部門におけるAI等の活用に関する報告書』を公表しました。内容を簡単にご紹介しますね。

https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/016.pdf

 経団連の調査によると、人事部門でのAI活用は、多かった順に、採用時に面接や選考書類の分析から行動特性を判定する「応募者スクリーニング」、次いで面接記録や評価コメントの要約・整理によって面接官の意志決定を支援する「面接サポート」、社員データから今後のキャリアや異動先等の提案を行う「人事配置」、担当する業務内容、責任の範囲、必要なスキルや経験などをまとめることで生産性向上に繋げる「ジョブ・ディスクリプション作成」と続きます。国内企業の中でも特に応募人数の多い大手企業では、大量のデータ処理や手作業を自動化するため積極的にAIの導入が進んでいるようです。またAIによる過去の客観的なデータ分析や、社員一人ひとりのキャリアに合った研修のレコメンド機能などを通じて、人事担当者の意思決定の精度が大幅に向上するという点も、導入を後押ししています。

導入を検討されている事業者様も多いと思いますので中小企業がAI活用を進めるポイントをまとめてみました。

①最初から大規模なシステムを導入しない

定型的な業務や、効果を確認しやすい業務からAIの活用をはじめてみましょう。属人化していた業務プロセスをシンプル化し、手順を明確にした上で導入します。そこから徐々に別の業務や部署へと展開していくのが現実的なアプローチです。

②安全性・公平性・透明性を確保

人事データには機微な個人情報が含まれるため、経済産業省の「AI事業者ガイドライン」などを順守し、AIに入力するデータは必要最小限に留めるようにしましょう。またAIの出力結果に性別や年齢などの不合理なバイアスが含まれていないか定期的に検証しましょう。

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/20240419_report.html

③現場の社員の不安や懸念に配慮

特に評価やモニタリングにAIを用いる場合、「不当な扱いを受けるのではないか」という不信感を招く恐れがあります。そのため、AIの利用目的や活用範囲について社員へ丁寧に説明し、理解を得ることが不可欠です。導入後も社員の声を継続的に把握し、効果を検証・改善していくことで、会社と社員の信頼関係を築いていくことができます。経団連の報告書には具体的な活用例も掲載されていますので、ご興味のある方はご一読ください。

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