少子高齢化の影響により労働力不足が深刻化しておりますが、特に中小企業は賃上げや社会保険料の影響もあり、人材の獲得が難しくなってきていると感じています。人材を獲得する方法の1つとして注目されているのが「多様な正社員」制度です。「多様な正社員」とは、主に勤務地や職務、勤務時間を限定した働き方をする雇用形態のことで、限定正社員とも呼ばれます。主に大企業を中心に導入されてきた制度ですが、最近は優秀な人を採用するために「多様な正社員」制度を導入する中小企業も増えています。中小企業では、どうしても採用したい人の個別事情に対応した結果、大企業より働き方が多様化してしまうという実態があるようです。ちなみに弊社も多様な働き方を導入していますが、一般の企業様よりかなり多様化しています。
「多様な正社員」制度は人材の確保や定着、企業の競争力強化などのメリットが多くある一方で、デメリットもあります。まず、雇用形態が増えることにより勤怠管理や給与計算、人事評価などの人事労務管理が複雑化し、人事労務部門の業務量が増加します。人手不足を補うために制度を導入したのにかえって人手が必要になっては本末転倒です。加えて従来からの正社員と多様な正社員の待遇差に不満を訴える社員が出る可能性があります。社内の雰囲気が悪化する原因にもなりますので、双方に不公平感を与えない制度設計が必要です。これらのデメリットを考慮した上でも導入する価値があるか検討してから導入を決めましょう。
雇用条件や処遇の異なる社員を同じ就業規則で規定しようとすると複雑になりトラブルに発展しやすいと考えられます。導入の際は、就業規則を追記もしくは改定するようにしましょう。「各社員の定義・適用範囲、労働条件の明示、転勤・出向・職種の変更、解雇、定年・退職、賃金、賞与・退職金」これらの項目は多様な正社員に対するものを現在の規則に追記することで対応できますが、「正社員の区分と定義」については規定の新設が必要になります。また「正社員から多様な正社員へ転換」「多様な正社員から正社員へ転換」「有期契約から多様な正社員へ転換」などの転換の可能性がある場合は、勤続年数や勤務成績など転換の条件や申出の手続き、転換の時期などの項目を就業規則に定める必要があります。「多様な正社員」制度についてお困りの場合は、いつでもご相談下さい。
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