「感情労働」によるストレスについて

本格的な暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。夏と言えば夏祭りですね。甲府市では毎年「甲府小江戸の夏祭り」が開催されます。有名な方を間近で見られるステージが人気ですが、今年はDJ KOOさんが来られるそうですよ。春にオープンしたばかりの花小路で風情ある町並みを堪能することも出来ますので、ぜひ浴衣を着てお出かけください。ストレス発散にもお勧めです。https://kofu-tourism.com/event/67  

ストレスと言えば、皆さんは「感情労働」という言葉をご存じでしょうか。「感情労働」とは、業務上の役割に合わせて自分の感情を適切にコントロールして顧客などのニーズに対応することを求められる仕事を指す言葉です。医療従事者や営業職、宿泊施設の従業員など感情を使うことが必須である職種では、実際には思っていない感情を表現したり、本心が相手に伝わらないように隠したりするなどの「感情労働」によるストレスがかかりやすいと考えられています。また心理学の研究領域では、管理職が部下に対して行うような組織内の感情コントロールも「感情労働」の一種として扱う見方も出ているそうです。しかしコンプライアンスの意識が求められる時代ですから、上司、部下などの立場に関わらず、こうした感情労働に伴うスキルやテクニックが必要になってきているようにも思えます。

 東京成徳大学応用心理学部の関谷大輝准教授らの研究によりますと、本心を隠すなどの感情コントロールを個人で行うよりも、組織からの働きかけが「感情労働」に良い影響を与えることがわかったそうです。たとえば、管理職がポジティブな感情表現をすることで部下のポジティブな感情や自信も高まる、というような具合です。管理職になった際は、自身の感情が組織に大きな影響があることを意識した方が良さそうですね。管理職研修などで感情について学ぶことも有効と考えられます。

「感情労働」に対するセルフケアに唯一無二の処方箋はありません。ですが、自身の抱いた感情を否定せず言葉で表現する習慣があると、状況に応じて適切な感情表現を選択する能力「情動知能(EI)」が高まり、感情労働ストレスに強くなるそうです。ご興味のある方はぜひ日記などで実践してみてくださいね。

参照:『管理部門はなぜ消耗するのか?「感情労働」の影響と対策』(関谷大輝、『企業実務No.903』)

  • URLをコピーしました!
目次